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エゴイストな夜 side4ー12 【綾子と速水の大人な恋!?編】




***



「で、どうして私を選んだの?」
 私はシーツの中から顔を出して、速水の美しく割れた腹をぎゅっと摘む。
 だか私ほどの力では痛くないのか、速水は微動だにすることはない。
 ならばと思って、こしょこしょと脇腹をくすぐるとこれが意外にも利くようで、速水は笑いはじめた。
 このところ、速水は良く笑い、サイボーグの仮面を取り外した。
 血の通わない美しさではなく、温かみのある人間になり余計に色香が増した気がする。
 やきもきする私の気持ちを知らずに速水は相変わらず涼しい顔をしているが。
「ほら、吐け、吐け、吐け!」
 私は速水に馬乗りし、脇腹を執拗にくすぐり続ける。
「意外と子供っぽいところがあるんだな」
 速水が私の腕をぱしっと取り、意地悪そうに目を細めた。
「今度は俺に乗ってくれるのか?」
 一度、情事を終えた私達は真っ裸であり、気がつくと速水の下肢が臀部を痛いほど突き上げてくる。
「あ……えっと……」
 急に恥ずかしくなり、速水の腹から降りると速水ががばりと起き上がった。
「これからも、そうやって元気な姿を俺に見せてくれ」
 速水がじっと見つめてきて、愛しそうに頬を撫でてくる。
「元気って……それだけが取り柄みたいじゃない……」
「ある意味、当たっているかもな」
 速水が私を選んだ理由が元気――だけに尽きると何だか情けなくなってきてしまう。
「そんな顔するな。元気だけとでも思ったか?」
 速水は見透かすように見てきて、私の尖った唇をぷにぷにと押してきた。
「初めて綾子を見た時、生命力の塊が歩いてきたって思ったんだ。自信を持って、葦を切り裂いて前を進んでいく、力強さを感じて……俺とは真逆だと思った」
 速水はふっと笑い、そっと唇から指を放していく。
「俺は別にこの世に未練があるわけではない」
 そう言われて私は眉を寄せて速水を見てしまう。
 それは感じていたから、偽りではないと分かるがそれは悲しかった。
「だけど、お前を見た瞬間、眩しかった……この世を生きてやるって感じがひしひしと伝わってきて……だから惹かれた」
「それって、殺しても死なないだろうっていう生命力の強さを感じたってこと?」
「まぁ、そういうことになるな。だから、俺はお前が欲しかったのかもしれない」
 速水に欲しかったと言われて、目を白黒とさせてしまう。
 だって、ずっと追いかけていたのは私の方であって、今だって速水がどう思っているのかが分からないのに。
「お前を先に見つけたのは、俺だよ」
 速水が切れ長の瞳を細めて、じっと見つめてくる色香にたじたじになってしまう。
「あの、それって……それって……」
 私の心臓はばくばくと音を立てて鳴り始め、思うように言葉が出てこなかった。
「綾子を試したことは謝る。済まなかった。だけどお前は俺を追ってきてくれた、最後まで」
――待って……それじゃあ……私は速水に試されていたってこと?
 速水のいいざまでは、先に好きになったのは俺の方――そう聞こえる。
 そして私の本気を試すべく、つれない態度を取っていたということ。
 こういう風に解釈するのはポジティブ思考な考えだろうか。
「あの、それって……私のことを好きってこと……」
――言っちゃった!
 速水が押し黙るので、すぐに聞いたことを後悔してしまう。
――ああ、馬鹿、馬鹿、いい雰囲気だったのに……
 やっぱり聞かなきゃ良かったと後悔していると、速水が私の身体を後ろ向きに押し倒す。
「綾子……膝を立てて……お尻を突き出せ……」
「――えっ……」
 戸惑ってしまうが、私は速水の命令に逆らえないほどメロメロだ。
 恥ずかしいが、四つん這いになりお尻を突き上げた。
 速水がぐっと腰を掴み、張り出した切っ先を秘裂の間に割り込ませる。
 速水の残滓がまだ残っている内部は滑りが良くて――一気に熱い塊を穿たれた。
「――っ」
 じん――と甘い痺れが腰を震わせると、速水が切なげな吐息を漏らす。
 すぐさま激しい抽送が始まり、私の身体は大きく揺さぶられた。
 残滓がかき混ぜられ、ぬちゅぬちゅといやらしい音が室内に鳴り響く。
「ンっ……綾子っ……好きだっ……」
 吐息混じりに聞こえてきた言葉に私ははっと顔を上げる。
 ベッドの前には大きな鏡があって、卑猥な姿を映し出しているのだが――それより気になったのは速水の顔の方で。
 好きだと初めて告白してくれた速水の顔は真っ赤に染まっていた。
「嘘……」
 私は信じられない思いでそれだけを呟く。
――もしかして、恥ずかしくて顔を見られたくないから……バック?
 だけどそれは速水の誤算で、鏡の前で真っ赤にした顔を晒してしまう結果になる。
 私が呆然としながら鏡越しに速水の顔を見ていたのが、気がつかれてしまった。
「見るな」
 少年のように頬を染める速水があまりにもいじらしく見えてつい微笑んでしまう。
「だから、見るなと言っているだろ」
 速水が困った風に言う姿も可愛くて、愛情がますます深まっていく。
「仕方ない奴だ」
 速水が軽く溜息を吐き出し、腰を引いて切っ先を入口まで引き抜く。
「――あっ……」
 速水のは大きくて逞しいので、私の下肢は後ろに持っていかれそうになり慌ててシーツを掴む。
 入口で止まっていた速水のモノがねじ込むように侵入されてきて、びりびりと身体に痺れが走っていった。
「待って……激しいっ……」
 壊れそうなほど突き上げられて、がくがくの内腿が震えてしまうが速水は律動を止めることはない。
 私が笑った罰を与えているのだろうと、揺さぶられながら考えたが思考は崩れていく。
「は、速水っ……私っ……」
――好きと言われて嬉しさが増し、内部がきゅうきゅうと締まり速水のモノを締めつける。
「くっ……綾子っ……そんなに締めつけるな。そんなに俺のがいいか?」
 速水が意地悪く聞いてくるので、私は力なく首を横に振った。
「馬鹿っ……あんたのだからいいの……好きって言われて嬉しいから……だから……気持ちいいのっ……」
 そう言うと、速水の身体が熱く火照り照れているのだと感じた。
「綾子……お前はいい女で……可愛いな」
 速水の大きな手が私の臀部を上に持ち上げ、角度を変えた肉棒がぐっ――と体の奥まで侵入してくる。
「やだっ……深いっ……」
 あまりの深さに身がすくんだが、速水の手が体をしっかりと固定して動けなかった。
 そのまま何度も最奥を突き上げられ、あまりにも脆く理性が崩れる。
「速水っ……駄目っ……もうっ……」
「綾子……俺も……」
 速水の打ちつける間隔が短くなり、私は揺さぶられながら快感に身を震わせる。
 愛しい人と――相愛になれた喜びはこんなにも気持ちいいのだと――
 今までと違う感覚が体を突き抜けていき、甘い痺れが背中を走り抜けていく。
「速水……私……もうっ……」
 速水の肉棒が怒張し、膣道をみっちりと圧迫してきて最奥に穿たれた瞬間――
「ああっ……速水っ……」
 全身がびりびりと甘美な痺れが走っていくと同時に、中に熱い精が吐き出された。
 余韻に浸りながら私はそのままベッドにうつ伏せになる。
 速水が中から引き抜くと、すぐに隣りに寝転がった。
 大きな手がぽんと頭に乗せられて、ぐりぐりと髪をかき乱される。
「子供じゃないんだから……」
 そう言ったもののその感触が気持ちよくて、少しだけ微笑んでしまった。
 いつものように腕枕をしてくれて、私は速水と一緒にぐっすりと眠りについた。










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