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エゴイストな私 side2ー5 【桜視点】





 私は奇跡的に目覚めて、何とか退院した。
 成長速度が止まっていて、私は事故に遭った時と同じままだった。
 実体のまま動き、正樹君と接するのは始めてで、どうしてかどきどきとしてしまう。
 正樹君ってこんなに格好良かったっけ?
 背も頭一つ分抜き出て、体も筋肉がついていて、手も大きかった。
 男ということを意識してしまい、落ち着きがなくなる。
 こんなに格好よく成長した正樹君がまだ私を求めるだろうか?
 私は不安になり、正樹君を試す言い方をしてしまう。
「私が今度は君に命を預ける」
 そうすると、正樹君は驚いて顔を赤らめた。
 幽体でなくなった私は、もう正樹君の心が見えなくなっていた。
 何を考えているか分からなくなり、急激な不安に陥る。
 何か、言って――。
 私は縋るような視線を向けて正樹君を見つめた。
「いいよ、お姉ちゃんの命は僕が預かる。これからお姉ちゃんの全ては僕のモノだから勝手なことはしないで」
 正樹君は逡巡した後に、そう答えてくれた。
 私が死のうと思っていたことを正樹君は分かったのかもしれない。
だから勝手に死ぬなって言っているんだと思った。
だけど正樹君は、どこか不満そうな顔をする。
すぐに背中を桜の木立に押し付けられ、腰に手を回してきた。
その力強さにどきりと胸が跳ね上がった。
こんなに、逞しかったんだ。
いい香りが鼻をくすぐり、私はどんどんと恥ずかしくなる。
正樹君は獲物を狙うような視線を向けてきて、私の下肢がじゅくりと疼いた。
その飢えたような余裕のない表情は壮絶な雄の色香を帯びていて――。
その瞬間、私は唇を塞がれる。
正樹君は全てを貪るように、荒々しいキスをしてきた。
肉厚な舌が私の粘膜をなぞりあげていく。
いやらしく動く舌に驚いて、私は顔を背けた。
でも正樹君は許してくれなくて、舌を執拗に追いかけてきて吸い上げる。
昔はたどたどしいキスだったのに、今は私を翻弄させる。
キスだけで快感を得て、私はもう立っているのもやっとだった。
ぐったりしているのに、正樹君は私のワンピースを脱がしてくる。
昼間で明るいのに、恥ずかしい。
ひらり――と桜の花びらが私の胸の上に舞い落ちた。
正樹君は唇を這わしながら、ちゅうっと思い切り肌に吸いついてくる。
キスマークを付けられたのだと分かり、心の中では喜んだ。 
 だけど、正樹君はそれだけで足りずに私に下着まで脱いでと言ってきた。
昔、私が正樹君に言ったセリフ。
反対に言われると、こんなに恥ずかしいとは思わなかった。
だって、正樹君はもう小さな少年じゃない。
雄を感じさせる、男なのだから。
でも、正樹君は本気で、抗えないと思った。
私が下着を脱ぐと、正樹君が何とも言えない艶めいた吐息を漏らす。
 何かおかしいのかと思い、戸惑っていたら、正樹君の手が胸をまさぐった。
それだけでも頭がじんと痺れ、快感に飲まれそうになる。
正樹君の手は大きくて、私の胸をすっぽりと包む。
それにまた男を感じて、どうにかなってしまいそうだった。 
ぬるついた舌で蕾を舐められ、転がされると、快美だけが身体に広がっていった。
その上、正樹君は言葉で責めてきて私を虐めてくる。
「お姉ちゃんの蕾……ほら、興奮して赤く充血してる……」
視線を落としたら、本当に私の胸の蕾はぴんと尖り、淫靡に艶めいていた。
それを見ただけでも興奮し、じゅくりと秘部が濡れてくる。
それを見透かしたように、正樹君が手を下肢に滑らせてきた。
知られたくないと思って、腿を閉じようとしたが、脚を割り広げられる。
冷たい空気が秘部をひやりと撫で、身震いが起きた。
腿は正樹君のがちりとした脚の筋肉を感じ、どんどんと蜜が溢れてくる。
「あの時は……舌でご奉仕したけど、今日は指でしてあげるね?」         
正樹君がそういい、私は一瞬考えてしまった。
指で?
そう思った瞬間に、内部に正樹君の節くれだった男らしい指が突き立てられた。
優しく濡れた襞を掻き回す動きに、ぞくぞくと震え、私は甘い喘ぎを漏らす。
正樹君は指を昔の自分のモノと見立てて、何度も抽送を繰り返した。
指だけでも達しそうで、広げられた腿が卑猥にわななく。
それと同時にくちゅくちゅと音がして、静かな空間に鳴り響き、それが正樹君も聞いていると思えば恥ずかしくて仕方ない。 
しばらくして正樹君がずるりと引きずり出したものを見て、思わず喉の奥で悲鳴があがる。
なに、これ――。
そこには可愛いらしいものはなく、雄を象徴する、逞しい肉棒があった。
「グロい?」
 正樹君が意地悪くそう聞いてくる。
私が昔、自分の女性器に見せた時に言ったセリフ。
 正樹君は結講、意地悪なのかもしれない。
 赤く充血した肉棒は、いきり勃っていて、ぴたりと腹にくっついている。
 鈴口から粘りを含ませた液が垂れ落ちている様はグロいけど、とてもいやらしく感じた。
 そんなもの見せられたら、何て答えていいかが分からない。
 それなのに正樹君は私の下肢に肉棒を擦りつけてくる。
 私は恐怖を感じたけど、同時にそれで突き上げられることを想像して、中が卑猥にひくついた。
 正樹君は二本の指で私の中をぬちぬちと掻き回した。
 ほぐして肉棒を挿入しようとしているのだ。
 包皮を捲られ、芯の通った肉芽も一緒に揉み回される。
「あっ……はっ…っ……」
 恥ずかしながら、高い声が出てしまい、腰もくねってしまった。
 正樹君にされていることが、あまりにも官能的で、気持ちが良くて。
 正樹君はもう限界のようで、私の腿を持ち上げて、熱く滾る肉の塊を中に穿ってきた。
 一気に奥まで突き立てられて、息が出来なくなる。
 じんとした鈍い痛みが走り、苦しさで眉をしかめた。
 正樹君はたまらないと言った溜息を漏らし、ゆっくりと抽送を開始する。
 一度、入口まで引き抜かれ、圧迫したものがなくなりほっとした。
 だがそんなものは束の間で、すぐに肉棒が奥へ穿たれ腰がぞくりと震える。
 正樹君はずるりと剥けた亀頭のくびれで襞をこね回し、引き伸ばしていく。
 その動きだけでも快感で、くらくらと目眩がしそうになった。
 溢れる蜜がくちゅくちゅと卑猥な音を出し、私の中を掻き回す正樹君のモノに夢中になっていく。
 何度も膣奥に穿たれ、押し回されるとジンとつま先に激しい痺れが走った。
「ねぇ、気持ちいい?」
 正樹君がそんなことを聞いてくるから、どれだけ私が淫らな顔をしているのか不安になった。
 恥ずかしくて、否定しようとしたが正樹君が奥を執拗なほど突き上げてくる。
 太くなったモノで掻き回されると、私はどうしようもないほど喘ぎをあげた。
「ああっ……いいっ……っ……」
 敏感なところをしつこく突き上げられると、素直に気持ちいいと言葉が出てしまう。
 もう、淫らになっても構わない。
 私は愛しい正樹君の細い髪に手を挿し込み、腰を押しつける。
 私達は桜の木の下で愛し合い、快楽を貪り尽くした。
 私の全ては正樹君のモノ。
 そして、そういう風に仕向けたのはこの私。
 エゴイストは私は、私なしでは生きて行けないように正樹君を仕立てた。
 それを知らずに正樹君は、私の全てを貪ろうとする。
 愛しく、美しい正樹君を手に入れて、私はこれからも生きていく。
 それが私の世界――。
 桜降る中で、私は正樹君の精を中に受けて、静かに目を閉じる。
 溢れる涙が止まらず、私は泣けてしまった。
 正樹君が泣いている――
 幸せを感じ感動してくれていると思えば、私も胸が詰まって――。
 だって、正樹君はずっと、ずっと――私の目覚めを待っていてくれた。
 正樹君だけが私を見捨てず、気が遠くなるほどの時、見守ってくれていた。
 爪を切ってくれていたことも、髪を梳いていてくれていたことも私は知っている。
 何度もお礼を幽体のまま伝えたけど、それは正樹君には届かなかった。
 だからもう正樹君も諦めると思っていたのに。
 それでも彼は――正樹君は私をずっと好きでいてくれた。
『ずっと、ずっと一緒だよ』 
 正樹君が目覚めた後でもそう言ってくれると、一層胸が締め上げられる。
 彼は変わらず私を好きでいてくれる。
 私こそ絶対に――絶対に離さない。
 これからもずっと、正樹君だけを見つめているから。
 私はそう思って、正樹君の顔を見上げて彼を不安にさせまいと綺麗に微笑んだ。
 それは六年越しに実った愛を噛み締めた、暖かく――美しい春爛漫の日のことだった。










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