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エゴイストな私 side2ー2 【桜視点】





そこから私は、のびのびと、十一歳の正樹君よりも無邪気に旅をした。
全てが目新しく、私の心は踊って走り回っていた。
正樹君は呆れていたようだけど、それでも私は楽しかった。
終盤になり、薄墨桜を見てどうしてか添え木が私を繋ぐチューブに思えてしまう。
私は自分が置かれている立場を思い出して、つい正樹君に暗い感情をぶつけてしまう。
そうしたら正樹君は「見た人が感動して、笑顔になれる為に、桜もああして咲き誇っているんじゃないかな」
なんて大人びたことを言ってくれた。
桜――私の名前を呼ばれたと思い、不覚にもどきりとしてしまった。
『もし、お姉ちゃんが必要とされたいなら、僕が必要としてあげる』
 その後ですぐに正樹君の強い心の気持ちが聞こえてきて、私はその瞬間、小さな少年に心をさらわれてしまったのだ。
 私の方が正樹君を必要とし、求めている。
 この小さな少年の強い思いと、温かい人肌。
 このままずっと、小さな手を繋いでいたかった。
 私達は長い間、一緒にいて旅路を終えた。
 正樹君の家には誰もおらず、どこか彼は寂しそうだった。
 私は自分の家に呼ぶことにして、正樹君を招き入れる。
「ね、まだ死にたい?」
 そう聞くと正樹君は迷いを見せながらも、強い意思で私と一緒にいたいと言ってくれた。
 凄く嬉しくて、正樹君をこのまま家に置いておきたかった。
 私だけのモノにして、私に夢中にし、他には考えられなくしたい。
 そんな欲求はただのエゴなのだろうか?
 それでも正樹君が手に入るなら、私はエゴイストと呼ばれても構わない。
 目覚める目処など立たないのに、私は正樹君を夢中にさせ、永遠の鳥かごに閉じ込めたい。
 私の中にこのような激しい気持ちがあるとは知らず、驚いてしまう。
 そんなことをしたら、正樹君が可哀想かもしれない。
 一瞬だけ躊躇ってしまうが、私は自分の体の変化に気がつきはじめた。
 何となく朧げにだが、薄くなっている気がする。
 きっと正樹君が生きたいという気持ちを持ち始めて、波長が合わなくなったのだ。
 このままでは、正樹君に触れることも、話しをすることも出来ない。
 幽体の姿さえも正樹君の目では捉えられなくなるだろう。
 もう、迷っている暇などなかった。
 私はエゴだけで、正樹君を自分のモノにしようと考えた。
 正樹君にキスをしようと言うと、彼は恥ずかしがったが、嬉しそうだった。
「小さい舌だね」
 私は正樹君の突き出された舌をべろりと舐めた。
小さいのに熱くてぬるりと粘つく感触にぞくっと背筋が震える。
 この可愛い舌で体を舐められたら、どんなに気持ちいいか。
 それを想像するだけで、どきどきと胸が高鳴り、じゅくりと秘部の奥が疼いた。
 正樹君はうっとりとした顔で見上げてくる。
 それが可愛くて、もっと欲しくなる。
 正樹君が誰かとキスしたことがあるの? そう問うてきて私は正直に言った。
 一度だけ――と。
 そうすると可愛らしい顔を歪め、正樹君は苛立ちを露にした。
 どうやら嫉妬しているらしくて、とてもそれが可愛い。
――素直で、いい子……
『お姉ちゃんと初めてをもっとしたい』
 そう言われて本当はどきどきとしたが、それよりも正樹君の方が緊張しているようで、私の決意は決まる。
 お姉さんぶって、余裕のある態度を示し、私は裸になった。
 恥ずかしいというのもあったが、部屋は暗いし、正樹君はまだ子供だから、平気だった。
 正樹君は呆然と見上げてきて、月明かりを浴びた顔が真っ赤に染まっている。
――やっぱり、可愛い
 瞳を潤ませてぽかんと口を開けている様を見ると微笑ましくなってしまった。
『好きにしていい』そう言ったら正樹君が押し倒してきて驚いてしまう。
 子供でも立派な雄で、本能がそうさせているのだと思った。
 正樹君は興奮しているせいか、胸を力強く揉んできて、私は少しだけ痛くなる。
 もう少し優しくしてと言ったら素直に言うことを聞いてくれて、小さな手で一生懸命揉んでくれる。
 温かい手が心地よくて、私も段々と気持ちよくなってきた。
 すると、正樹君が胸の蕾に吸いついてきて、柔らかい唇に含まれた。
 腰がぶるりと震え、正樹君の様子を見る。
 小さな舌がちろちろと動き、蕾が敏感に尖り始めた。
「あっ……ン……」
 私も気持ちよくなり、甘い喘ぎが漏れてしまう。
 私にこんな色っぽい声が出るなんて、不思議な気持ちになってしまうが、どんどんと陶酔していったのだった。











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