先輩、僕の奴隷になってよ《番外編03》とある愛斗の劣情

番外編03《2》


***

ある日の出来事――
 そろそろ夏が近づく季節になり、春香も大学生活に慣れ始めた時に事件は起こった。
 愛斗は別に美術に興味もないが、下級生が名誉あるコンクールで金賞を取ったというニュースがすぐに学校内に広まった。
 もちろん学校をあげて、その話題を取り立てて、連日報道陣が詰めかけてきたのだ。
 ちょっとしたお祭り騒ぎだったが、愛斗は興味もなく関心すらなかった。
 だけどいち早く、金賞を取った絵を見た瞬間――衝撃が走り抜けたのを覚えている。
 愛斗にはそこに描かれている女性が春香にしか見えなかった。
 それは、誰にも見せることのない魅惑的で扇情的な――淫らな春香の表情。
 しばらくは頭が真っ白になり、時が止まってしまった感覚になる。
 誰が描いたのだと思い、調べるとあの弓原俊介で――それを知った時は恐怖すら覚えた。 
(なんでだ? どうして? 春香を? いや、どうやってこの表情を?)
 珍しく感情的になり、焦りを刻んだ愛斗は春香にそれとなく聞いてみたが、何も分かっていないようだった。
 春香は純粋で、嘘をつくとすぐに分かるから、取り立てて変なところはなかったので安心はする。
 俊介が学校を休んだ日を調べあげ、春香の動向を聞いたが大学の先輩と一緒にいることが証明された。
 ということは、俊介は想像であの絵を描いたということになるが、妙な生々しさがあった。
 俊介は一躍スターとなり、個人的に会う時間もないので直接本人に聞く暇さえなかった。
 鬱々とする日々を過ごし、美術館で展覧が始まるということで愛斗は観に行こうと考える。
 ちょうど俊介も来ると聞いてあったので、春香を連れて向かったのだ。
 記者や報道陣に囲まれていた俊介は、可愛い男の子というより端麗な男として成長していた。
 あの裏庭の日から随分とした変わりようだと思ったが、春香に気がつき誘うような笑みを向けてきたのだ。
 こいつ、やっぱりまだ春香のことを――いや、奪う気満々だと気づいてぎりっと奥歯を噛み締める。
 その後に挑戦的な笑みを愛斗に向け、怪しいばかりの瞳を交じ合わせてきた。
 やっぱり、こいつ――同類だ。
 毒を含む艶美な笑みは、女を惹き寄せる魅力を湛えていた。
 早くに潰しておくべきだったと後悔し、愛斗は毒牙から守ろうと春香と一緒に退出した。
 春香のことになると余裕をなくし、心のバランスが大きく崩れる。
 今でも春香はきちんと愛斗の言うことを聞いてくれるか心配で、わざとお仕置きという言葉を突きつけた。
 それでも春香はそのお仕置きを素直に受けるというので、ようやく安心感が増してくる。
 可愛く愛しい春香――同時にめちゃくちゃに乱したくて、劣情に駆られる。
 すぐに春香の家へ戻り、愛斗はどうしようかと考えた。
 さっそく、抱くのもいいが愛斗はしばらく時間を置くことにする。
 きっとあいつは今日も来るに違いない。
 愛斗はそう思い、春香の部屋でゆっくりと読書を開始した。
「愛斗君……お仕置きは……?」
 春香が恥ずかしそうにもごもごと口を動かすが、瞳は情欲に潤んでいて誘っているようにしか見えない。
 そんな表情をして――すぐにでも押し倒したい、そう思うが愛斗は時が来るのを待っていた。
「春香……待つのもお仕置きだよ」
 焦らすのもいいと考え、愛斗は春香のパソコンを開く。
「ほら、僕がいいっていうまでこれを鑑賞していて」
 愛斗は無料のHな動画サイトを開き、春香を椅子に座らせた。
「えっ……」
 春香は驚いているようだったが、興味があるのかちらちらと視線を送っている。
「これを鑑賞していてね……もちろん、自分で触ったら駄目だよ」
 春香は命令だから、一つ頷いて動画を鑑賞し始める。
 愛斗はベッドに上がり、読書をしながら春香の様子を窺っていた。
 春香の横顔は紅潮し、スカートから伸びる脚をもじもじと動かせている。
 たまに唇の隙間から蠢く赤い舌が淫靡で、愛斗の下肢の中心が熱く滾りはじめた。
 春香が興奮していると知り、読書どころではなくなってくる。
 気がついていないだろうが、春香の腰は自然にくねくねといやらしく動いていた。
「どう、春香?」
 わざと呼びかけたら春香は肩を跳ねさせて驚き、こちらを振り返る。
 その恍惚とした表情が色香を帯びていて、体から漏れ出す甘い香りに堪らなくなった。
「え、えっと……はじめて見るから……その……」
 しどろもどろに答えるが、本当はもう濡れていることに気がついている。
 瞳は潤んで、吐き出す吐息も艶めいていたから。
 そんな淫らな表情をされたら、嗜虐心が煽られて虐めたくなってくる。
 征服して、壊して、清らかな春香をもっと穢して、泣かせたい。
「本当はもう、濡れているんじゃないの?」
 分かっていてわざと聞いたが、恥ずかしいのか春香は視線を不自然なほど彷徨わせた。    
「そ、そんなことない……」
 嘘だと丸分かりの答えに愛斗は内心笑ってしまったが、知らない振りをしてもっと追い込もうとする。
「じゃあ、確認してもいい?」
 本を置いて立ち上がろうとしたら、春香が大袈裟に身を引いた。
「どうしたの? 濡れてないんだよね? 確認してあげようって言っているのに」
「ま、愛斗君の読書の邪魔しちゃ悪いし……」
 本当は春香の様子を見て、さっきからページを繰っていないことに気がついていないらしい。
 それほど夢中になって鑑賞していたのかと思うと、少しばかり動画サイトに嫉妬心が芽生えてきた。
 他の男が女優と絡んでしているのを見て、春香が濡らしていると考えたら非常に腹ただしいことだった。
 自分が見せておいて勝手な言い分かもしれないが、春香を濡らすのは愛斗だけでいい。
 だけど困っている春香を見ているのも好きで、やはり虐めてやろうと考える。 
 愛斗は春香の前に立ち、椅子をくるりとパソコンの方向にして動画を見せつける。
 愛斗が椅子の後ろに立ったまま、春香の服の上からさわさわと胸をまさぐった。
「ま、愛斗君っ!」
 春香が驚くが、愛斗は優しく揉みしだき胸の頂きを指で摘んでこね回す。
 ぴく、ぴくと春香が可愛らしく体をよじり、艶やかな吐息を吐き出した。
「ほら、春香……画面見て……弄られてるよ」
 春香に動画を見せつけながら、同じように愛斗は手を滑らせて柔らかい腿に手を置いた。
 春香は腿をぴたりと閉じて、愛斗の手の侵入を拒もうとする。
 無駄な抵抗だと思い、愛斗は春香の耳を甘噛みした。
「ンっ……」
 春香は甘い声を出し、ぴくりと体を跳ねさせて腿の力を抜いた。
 それを知っている愛斗は呆気なく腿の間に侵入し、秘丘の茂みを揉みしだく。
「だ……め……愛斗君……」
 それでも拒もうとする春香の耳の孔に舌を差し入れ、存分に舐め回す。
「春香……駄目っていう割には脚が開いていってるよ……」
 弱くて感じやすいところを知り尽くしている愛斗は、くすくす笑いながら熱気を孕んだ秘裂へ手を伸ばした。
「……ああ……やっぱり濡れているね……」
 下着の上からでも分かるほど愛液は染み出して、これでは冷たいだろうと愛斗は思ってしまう。
「春香……嘘ついて悪い子だね……動画の男に弄られるのを見て興奮したの? ほら、同じようにしてあげる」
 愛斗は動画の中の男と同じような動きを真似て、春香の秘裂を指でなぞりあげる。
 くちゅりと泡立つ音が聞こえてきて、愛斗はぞくぞくと震えがきた。
「ほら……こんな風に弄られている……いやらしいね」
 愛斗が女陰を手のひら全体で揉み回すと、春香は背中をのけぞらせて可愛い喘ぎを漏らしはじめる。
「いやっ……ああっ……愛斗君っ……」
 縋るような愛らしい声は、誘っているようにしか思えず、愛斗はショーツを引っ張りあげた。
「ああっ……やっ……」
「どう、春香? 陰唇に食い込んじゃった? このまま、こうやってクリを擦ってあげようか」
 春香が嫌がる素振りを見せるが、愛斗は劣情に駆られショーツをぐいぐいと引っ張り、執拗なほど淫芽を擦った。
むせ返る甘い蜜の芳香が愛斗の鼻をくすぐり、次第に我慢が出来なくなる。
「春香……立って……移動しよう」
 愛斗は時計に目をやり、そろそろ頃合だと忍び笑いを漏らした。



 

 

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