河畔に咲く鮮花  

義鷹との夜2

 
「蘭、済まない。記憶を取り戻したら、お前は絶対に私を許さないだろう。それでもこの腕に抱きたいと思う傲岸さを許しておくれ。この罪は地獄で受けるから――」
 義鷹が口づけを落としてきて、待ちきれないのかすぐに歯列を割られる。興奮を押さえていた義鷹の舌が荒々しく絡みつき、口腔内の粘液を啜りあげられた。
 あまりの激しさに呼吸が乱れ、空気を吸おうとするがそれすらも許さないように全てを塞がれる。
「ンっ、義鷹様……激しいです……」
「ごめんよ、蘭。私は自分を押さえきれない……お前を壊すかもしれなくて怖いのだ」
 色香を帯びた吐息に獣の情欲を織り交ぜながら、義鷹は濡れた舌を首筋に這わせた。何度も上下に舐め上げられると、勝手に身体が反応を示して、腰が甘美に疼いてくる。
「うっ……ぁっ……義鷹様っ……」
 着ていた衣服は乱雑に引き下げられ、義鷹にしては随分と余裕のない様子に驚いてしまう。
「早く私を刻みつけたい。蘭がその瞳に他の者を映さないように」
 獣がようやく獲物にありつける――そんな剥き出しの情欲にぞくぞくとした劣情に駆られる。
 すぐに白い乳房に顔を落とされ、義鷹の艶を帯びた長い髪の毛が肌をくすぐった。
「愛している、愛している、愛しているよ、蘭」
 何度も情感を込めて言う姿はどこかせっぱ詰まっており、罪ほろぼしをしているように聞こえてきて、どうしようもなく義鷹を助けてあげたくなる。
――義鷹様……どうしてそんなに苦しんでいるのですか
 胸に顔を埋める義鷹の髪を撫でてあげたい――そう思ったが、手は拘束されていてそれが出来ないことが悲しかった。
 義鷹の様子を気にしていたが、ちゅうっと水音を立てて胸の頂きを吸われた瞬間、意識がそこに集中する。
「綺麗だよ、蘭――ますます瑞々しくなって」
 義鷹がなんとも言えぬ恍惚の吐息を吐き出し、舌だけで何度も頂きを扱かれた。ぬるつく舌が吸いつき、優しく歯を立てて噛んでくると恥ずかしげもなく突起が薔薇色に染まる。
「ふふ……赤くなって美しいよ、蘭。私に感じてくれたのだね」 
「そ、それは――」
 恥ずかしさで身体がカッと火照り、否定の言葉を口にしようとするが、すぐさま頂きを舌でこね回されて、快楽の渦に飲まれていく。 
「いいのだよ、もっと気持ちよくなって。これは私が勝手にしていることだ。蘭が罪を感じることはない。だから、今だけはすべての観念を取り払い、私に溺れてくれまいか」 
 縋るような目つきで言われると、こわばっていた身体が花を咲かせるように開きはじめた。
「大丈夫だよ、すぐに理性など突き崩してあげよう。私の全てを使ってでも」
 義鷹の優美な手が胸を優しく揉みしだき、片方では固く尖った頂きを舌で扱きたてる。形を変えるぐらい大きく揉み回され、繊細な指がきゅっと赤く染まった蕾を摘みあげて
きた。
「ぁっ……」
 思わず婀娜めいた声が唇の隙間から漏れて、それを聞いた義鷹にいやらしい動きで揉みしだかれる。
「蘭の可愛い声をもっと聞かせておくれ」
痛いほど勃つ蕾が濡れた舌で舐め転がされて、じんじんと下肢が熱くなってきた。
「ぁっ……ン」
 我慢しようとしても、義鷹が与えてくる刺激が絶え間ない快楽となり、つい甘い声が漏れる。義鷹が顔を滑らせ、白い肌を粘ついた舌で舐め回し、へその窪みまで吸いつかれた。
 そのまま太ももに舌を這わし、足の指先まで到達すると親指を柔らかい口に含まれてしまい、その刺激でびくりと腰が震える。
「義鷹様、そんなところ……汚いです……」
「蘭に汚いところなどないよ。お前は全てが甘くて美味しい」
 舌が指に絡んできて、粘つく粘液の感触が甘い痺れを起こした。
「身体が火照ってきているよ。ここから濃厚な香りがする」
 義鷹の手が腿を押し広げ、下肢のきわどいところを舐め上げる。そのままショーツ越しに舌を這わされ、いつの間にか潤っていた秘部がくちゅりと淫猥な水音を響かせた。
「これも脱ごうか、蘭」
 義鷹にするりと脱がされ、晒された秘所をじっくりと凝視される。
「ああ、綺麗だよ、蘭」
 義鷹が感嘆の吐息を漏らし、目に雄の情欲を宿した。
「蘭、こちらを向いて、見ていて……」
 顎を引いて腿の間に顔を埋める義鷹を見下ろすと、肉厚な花びらに弾力ある舌が絡んできた。
「ぁっ……うっ……義鷹様……」
 そのようなところを直接舌で愛撫されると、ひくりと中がわなないて、奥から蜜が溢れ出してくる。そのまま優しく引っ張られたり、形をなぞるように舐められて、自然に腰がくねった。
「蘭の感じるところは知っているよ……ここかな?」
 濡れた舌先でつんつんと包皮から覗く淫芽をノックされ、甘く切ない声がこぼれる。
「義鷹様……っ……ぁっ……そこは……」
「ほら、見ていて蘭。よぉくね」
 触れるほどだった舌先の動きが大胆なものに変わってきて、くねくねとなまめかしく上下に蠢きはじめ淫芽を激しく責め立てた。
「ぁっ……義鷹様……っ……」
 義鷹が舌先を器用に動かしながら、蘭の表情をじっくりと観察する。恥ずかしくて視線を逸らすと、ちゅうっと淫芽に吸いつかれ、耐え難い快感が背中を走り抜けた。
「蘭、駄目だよ。私がいやらしく舐めているのを見て感じるんだ。さぁ、こっちを向いて」
 そろそろと義鷹を見つめると、舌先だけで何度も細かく震わされ、芯が通った淫芽が赤く充血してくる。
「はぁ……っ……ぁっ……ンっ……やっ……」
「どんどんと溢れさせて悪い子だ。ほら、こんなに濡れてる」
 義鷹の優美で美しい二本の指が柔襞に潜り込み、くちゅくちゅと音を立てながら膣肉に押し込まれていった。すぐに中を探るようにじっくりと角度を変えながら、蘭の感じる場所を見つける義鷹の指。
「ここ、ざらっとしているね。気持ちいいかい?」
 上襞を指で押し揉まれると、電撃が走っていき、腿がぴくぴくとひきつる。 
「義鷹様……っ……はぁ……っ……」
 強烈な快感がつま先から突き上げてきて、えも言われぬ甘美な痺れが全身に広がっていく。
「いいよ、蘭。もっと、感じなさい」
 何度も激しく擦りたてられると、がくがくと脚が震え、うねるような快感に身を焼かれた。
「はっ……義鷹様っ……なんか……駄目です……変です……ぁっ……はぁ……ンっ……」 
「いいんだよ、そのまま私の指に委ねてイくんだ」
 指が執拗に感じる場所を弄り続け、脳が弛緩しはじめると、身体の奥から何かがせりあがってくる。
「さぁ、蘭。もっと気持ちよくなって」
 義鷹の指が追い立てるように早められ、律動と共に恥ずかしいほどの水音がぐちゅぐちゅと鳴り響く。粘膜を掻き回され、ぐっと押し揉み潰された瞬間に腰が跳ね上がった。
「ぁっ……あっ……はっ……ああっ……やだっ……」
 目の前が白く弾けた刹那、蜜とは違う透明な飛沫が秘部から放出する。
「ほら、もっと出していいよ……っ……」
 義鷹がぐっ、ぐっ、と何度も上襞を押し揉むと、意思とは関係なくびゅく、びゅくと潮が吹かれ畳を濡らしていった。
「ぁっ……うっ……はあっ……」
 全て放たれた気だるさにぐったりとしていると、義鷹の指がずるりと蜜壷から引き抜かれる。義鷹の手首まで蜜液が滴り落ちていて、彼はそれを形のよい唇に含んで美味しそうに舐め上げた。その様は胸を震わせるほどの淫靡さで蘭は陶然と見つめてしまった。
「ふふっ……可愛いね蘭。初めて出してしまったかい?」
 濡れた手をねっとりと舐め上げた義鷹は、ずるりと下着からいきり勃つ肉棒を引きずり出す。鈴口にたまる粘ついた液がむせ返る雄の匂いを放ち、それを嗅いだだけでじんと下肢が疼いた。






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