先輩、僕の奴隷になってよ hold-10

hold-10

***


――深夜――

 そのまま安眠できると思ったが、春香はふと違和感を感じて意識が目覚める。
 胸の辺りがもそもそと動いて、まどろみながら目を開けた。
(えっ……)
 驚いた春香はぎょっと目を剥き、胸の辺りの違和感の正体を知る。
 後ろから回された手が、胸をやわやわと揉みしだいていたのだ。
(え、はいっ? どういうこと)
 理解が出来ずに頭をフル回転させるが、答えは一つしかない。
 愛斗が春香の胸をまさぐっているという信じられない状況がそこにはあった。
(ま、愛斗君っ?)
 あの愛斗がまさかと疑いたくなるが、するりと寝巻きの間から手が滑り込み春香の胸の突起に触れる。
「あっ……」
 思わず声を出してしまい、慌てて春香は口をつぐんだ。
 それでも愛斗の手は執拗に胸をまさぐり、指で尖りはじめた蕾を挟み上げる。
「んっ……」
 愛斗の手の動きに神経が集中してしまい、春香はごくりと唾を飲み込んだ。
 それでもこれ以上、触れさせるわけにはいかないと思い、声をかけようとする。
「んっ……」
 だが愛斗からは寝言のような声が発せられ、規則正しい寝息すら聞こえてきた。
(ま、まさか寝ぼけているの?)
 神経を尖らせ後ろにぴったりくっつく愛斗の動向を探ると、やはりすーすーと寝息を立てている。
 だが、手は依然動いているまま。
(寝ぞうが悪いっていうの……こういうの)
 愛斗の寝ぞうだと思えば、俄然納得は行く気がした。
 あの愛斗が女性を襲うような真似をするはずがないからだ。
(寝ていて……無意識なら仕方ないか)
 すぐに収まると思って春香はしばらく我慢しようとしたが、愛斗の手はするっと落ちて臀部を撫ではじめる。
 後ろから優しく円をかくように撫でられ、ぴくんと肩が震えてしまった。
 そうすると愛斗の手は今度は、寝巻きの中にするりと入ってきて、ショーツを撫で回しはじめる。
「ンっ……」
 さきほどより愛斗の手の形や熱を感じ取って、奇妙な感覚が身体を満たしていく。
(愛斗君は寝ぼけているだけ……)
 心の中でそれだけを呟き、自分の口を手で塞いで声が漏れるのを制した。
 だがそれを笑うように愛斗の手は、臀部から秘められた場所に移動する。
(愛斗君……その場所は……)
 くちゅ――そんな音が静かな夜に響き、春香の体はかぁと熱くなった。
 愛斗の指がショーツ越しに埋められ、いつの間にか溢れ出した蜜がいやらしい音を立てている。
(嘘……私、濡れているの……?)
 信じたくなかったが、愛斗の指が蜜壷の入口に埋まる度に粘りを帯びた蜜の音が艶かしく聞こえてきた。
「あ……う……」
 恥ずかしくて身をよじるが、余計に腰を突き出す形になってしまい愛斗の繊細な指がさきほどより深く埋まる。
(ああ……駄目……)
 身じろぎしていると、ショーツがゆっくりと横にずらされた。
(嘘……そこは駄目……っ)
 身じろいでみるが、すぐさま愛斗の指が秘裂に潜り込み、花びらの間を何度も上下に擦っていく。
「はっ……ンっ……」 
 すでに濡れそぼった秘裂は愛斗の指の滑りを良くして、何度も往復していった。
 腰が自然にくねると、愛斗の指が意思を持ったように包皮に隠れている淫芽に触れてくる。
 爪先が触れただけなのに、びりっとした痺れが体に走った。  
(そこ、駄目っ……一番敏感なところなのに……)
 蜜で濡れた指の腹で淫芽をくるくると円を描くように撫で回され、知らずに淫らな喘ぎが唇の隙間から漏れる。
「ンっ……はっ……」
 寝ぼけていても愛斗に触られていると思えば、愉悦と背徳が混じり感覚が全てを拾ってしまう。
 背中にくっつく愛斗の熱、息遣い、愛斗の手の繊細さ、指の形、そのどれもが興奮を煽った。
(駄目っ……愛斗君に……恥ずかしいところを触られていると思うと……)
 いつの間にかつんと尖がって、包皮から先端を覗かせている芽を何度も擦られると下肢から迫り上がる感覚がある。
(ああ、もう……イッてしまう……)
 愛斗の指が芯の通った芽をぎゅっと押しつぶしたと同時に、快楽の波が一気に打ち寄せてきた。
「あっ……はぁ……ああ……ン」     
声が我慢出来ずに春香は身悶えしながら、絶頂を味わった。
 気だるい浮遊感が襲ってきて、ふっと意識が遠ざかっていく。
 そのまま春香は深い眠りへとついたのだった。









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