先輩、僕の奴隷になってよ hold-21

hold-21




 「ね、さっそく使おうか」
 愛斗が待てないばかりに春香を公衆トイレに連れ込み、バイブを取り出した。
「ま、待って愛斗君……こんなところで使うなんて……」
 春香は戸惑うが、愛斗はにっこりと笑いスカートをたくしあげてくる。
「誰が、ここで使うって? 先輩はこれを突っ込んだまま僕と散歩するんだよ」
「――は?」
 愛斗が何気ない風に言うが、春香は目を白黒とさせて言葉を反芻させた。
「散歩するって……」
(どこを?)
 考えていると下着が引き下ろされ、秘部との間に引かれた透明な液が愛斗の目に晒される。
「やっぱり……濡れてる……先輩って本当にいやらしいよね」
 愛斗が苛立ちを含ませた瞳を向け、すぐにバイブを突き刺してきた。
「――はっ……」
 ひやりと冷たい感触が内部を擦り、違和感を感じて春香は太腿をすり合わせた。 
「先輩、脚を閉じちゃ駄目でしょ」
 愛斗が太腿をこじ開けてゆっくり押し入れてくる。
「先輩、これ透明だから中の様子がよく見えるよ」
 愛斗がたまらないといった吐息を漏らし、勿体つけるように押し進めてきた。
「ほら、襞を掻き分けて……入ってく……」
 愛斗が意地悪な言葉を吐き、くすりと笑いを漏らす。
「やっ……」
 恥ずかしくて閉じようとしたが、愛斗に腿をしっかり持たれて春香はじっくりと観察されるはめになった。
「もう、入っちゃった……ミニだからこんなものか」
愛斗がつまらなそうにぼやき、下着を引き上げた。
 すっかり内部に収まったバイブは下着とストッキングによって不安定なバランスを保つ。
「さぁ、先輩行こうか」
 有無も言わせず手錠を引っ張られ、下肢に違和感を感じながら歩いた。
「ねぇ、先輩、電車に乗ろうか」
 何の冗談かと思ったが、愛斗の意見が覆るはずもない。
 時間帯もちょうど満員になる頃合で、春香はドアのところに愛斗から体を押しつけられる格好になり、帳が落ちた空を眺める。
 ぴたりと愛斗の胸板が背中にくっつき、じんわりと熱を感じた。
「ねぇ、先輩……どうしてあいつにあんな顔したの?」
 真後ろから囁かれぞくりと背筋が震えるが、何のことを言われたかが分からない。
「雪哉……あの人とケーキ屋であって……盛るような目つきで見てさ……」
 愛斗が苛立っている理由がようやく分かって春香が顔をねじった瞬間、リモコンのスイッチが押された。
「――っ!」
 張り出した先端がねっとりと粘膜を絡め取るように肉襞を掻き回していき、その卑猥な感触に腰が大袈裟に跳ね上がる。
「ほら、そんな目……雪哉を潤んだ目で見てたよね」
「――ちがっ」
 違う――そう言おうとしたが、もう一つの突起部分が動き始め、淫芽を細かく震わせる快感に、腿ががくがくと震えた。
「先輩……お仕置きだよ。他の男に色目使ってさ。まだ主人が誰か覚えられないの? 誰にでもしっぽを振ってさ」
 愛斗の唇が引き結ばれ、手がスカートの中に伸ばされる。
「いけない子は……体に覚えさせないとね」
 ストッキングと一緒に下着をずり下ろされ、愛斗が艶を帯びた吐息を漏らした。
「ほら……先輩……声……我慢してね」
 愛斗がバイブを持って張り出した先端を入口まで引きずり出す。
「――ンっ」
 中をこね回しながら出て行くいやらしい動きに、奥の襞がひくりとわなないた。
「声、我慢してっていったよね」
 愛斗が後ろ髪に唇を寄せて囁き、中の肉襞を広げるようにまたバイブを奥まで穿った。
「――ぁっ……」
 そのままぐるりと中を掻き回され、卑猥な水音がくちゅりと響き、恥ずかしさと同時につま先から耐え難い快感がはい登ってくる。
「先輩、下の口の方から音が漏れてるね」
 愛斗が低い笑い声を立てて、何度もバイブを入口まで抜いては、押し回すように中にねじ込んでいく。
「愛斗君……ぁ……ンっ……」
「淫乱な奴隷だね……こんな公共の場所でイカされるなんて――ね」
 愛斗が嘲るように囁くと、スイッチは最大にされ、先ほどとは違った動きが中を掻き混ぜる。 
 淫芽を嬲る突起部分が包皮を剥き、直に刺激を与えてきて立つのも無理な快楽が身体を支配した。
「うっ――はっ……」
 口を両手で塞ぐが、唇の隙間から甘い吐息が漏れ出てしまう。
「先輩……いやらしい牝の匂いがするよ……」
 愛斗も興奮しているのか臀部に硬くいきり勃ったモノが押しつけられてくる。
「もう、限界?」
 愛斗がまたバイブを持ち、春香が高みに昇る手助けをしてきた。
 何度も突き立てられ、中を掻き回され、肥大した淫芽に吸いつき、細かく振動していく動きに春香は抗えない快感が突き抜けてくる。
「も……だ……め……ぁ……っ」
「先輩……イカせて下さいって言いなよ……早く……おねだりして。言わないとやめちゃうよ……もう他の男に色目は使いませんって……愛斗だけのモノだって……言えよ」
 愛斗の手の動きが止まり、春香はもじもじと腰を動かしておねだりしてしまう。
「イカせて……愛斗君……他の男に色目は使わないから……私は愛斗君だけの奴隷だから……」
 春香が涙目でおねだりすると、愛斗が愉悦に浸る笑みを浮かべ一気にバイブを奥に突き立てた。
「――ぁっ……」
 ぐるりと膣奥を先端が掻き回していき、剥かれた淫芽にぴとりとイソギンチャク状の吸盤がちゅうっと強く吸いついて――
「イ……く……っ……」
 背中をのけぞらせて、つま先からびりびりと這い登る快美な痺れに身体を委ねる。細かく体を痙攣させ、絶頂を向かえた後でどっと愛斗の胸板に背中を預けた。 
「春香……」
 愛斗が苦しいほど背後から抱き締めてきて、髪の毛にキスを落としてきた。
「――もっと、堕ちて」
 残酷な響きなのに、春香にはそれがいつの間にか心地よい安らぎの言葉に聞こえてくる。
 薄暗い楽園でのたった二人だけの秘密――快楽を貪りあい堕ちるとこまで堕ちて、背徳的な情事に溺れていく。
 そう――その失楽の楽園には愛斗と春香しか住人はおらず、何人たりとも入ることの出来ない屈折した聖域。
 手錠で繋がれ――見えない檻に囲まれた禁断の花園。
 それでもいい、愛斗と一緒にいられるなら。
 春香は愛斗の腕に抱きとめられ、この刹那的な暗い幸せを噛み締めたのだった。  


  






21





ぽちっと押して、応援してくだされば、励みになります。m(_ _)m


     next/ back

inserted by FC2 system