河畔に咲く鮮花  




 強引に、しかも無理やり唇を奪われて嫌なはずなのに、なぜだか胸がどきどきと高鳴る。
 脳が痺れ酩酊するような甘い感覚。蘭はぼうっとしながら、綺麗に微笑む雪を見つめた。
「他はどんな味がするんだ?」
 えっと思うのも束の間、雪は片方の腕を背中に回してきて、蘭を自分の方に抱き寄せた。鼻先に雪の滑らかな首筋がくっつきそうになる。
 綺麗で、しなやかだ――そんなことを考えていた蘭の脳は一気に覚めた。雪は抱きかかえたまま、片方の余った手で蘭の胸を掴んだのだ。
「やっ……止めて!」
 蘭は雪の腕の中でみじろぐが、そんなことで許してはくれない。雪に荒々しく揉まれて蘭は目に涙が滲む。
「い、痛いっ、ねぇ止めてよ」
 蘭は精いっぱい反抗して見せるが、雪はそんなのもおかまいなしだ。蘭の意思も無視して、雪は自分の思うがままにする。
「本当に痛いのか? ここは反応しているぞ」
 雪は端正な顔で意地悪く笑うと、胸の中心の突起をぎゅっと摘まんだ。
「あっ…やっ……」
 摘まれた瞬間、背筋がぞくりと震え、甘い声が漏れる。
「ほらな、反応している。もっと聞かせろよ。その声」
 雪はそう言って突起を摘まんだり、指の腹で捏ねまわしたりする。
「あっ……あっ」
 それを繰り返される度に、突起はじんじんと熱を帯び、下半身に熱い痺れが走った。
「俺がお前に男を教えてやるよ」
 雪はそう言って、蘭のタンクトップを強引に脱がした。下着を着けていない胸は露わになる。
「俺の膝の上に跨れ」
 雪がずいっと椅子に座ったまま自分の左足を差し出して来た。躊躇っていると、背中に回された腕が強くなり、倒れ込むように蘭は左太ももの上に跨る。すぐ目の前に雪の荒い息遣いが聞こえて、蘭は胸を震わせた。雪はじっと蘭の胸を見て、今度はゆっくりと右手で揉みしだく。
「手に吸いつく感触、大きさも形も色も綺麗だ」
 蕩けるような声音を吐き出し、雪は丹念に胸をまさぐる。さっきとは違った優しい愛撫に蘭はぞくぞくと体が震えた。
 指ですでにこりこりに硬くなった突起を摘まれ、捏ねられる。
「味はどうかな」
 雪はそう言って桜色の突起を口に含んだ。粘着質のある舌が尖りを含み、そのまま転がされる。
「あっ……!!」
 脳にびりっと経験したことのない痺れが走る。おいしそうに舐めまわしている雪を見て、蘭は頭がぼうっとしてきた。雪はわざと舌を出して、尖らせた先端でで突起を舐め上げる。蘭が見ているとしって、そうやって見せつけているのだ。舌が器用に上下や左右に動き、突起は雪の唾液でぬらりと艶を帯びる。
「はっ……あっ……」
 いつの間にか蘭の口からはしたない喘ぎにも似た声がこぼれ始めた。下半身もじんじんと熱さを増していく。そう思っていると、雪が左太ももを前後に揺さぶりはじめた。
「ああっ……」
 跨っている蘭の下半身に甘い痺れが生じる。雪の手が腰まで滑り落ちて、蘭の体を前後に振らせた。
 それに合わせて雪の太ももがゆらゆらと動く。腰の動きを止めようとするが、雪の手がそれを許してくれない。
 止まれば、腰をぐっと前に押され、前後される太ももに大事な部分を擦られる。
「気持ちいいか? いいぞ、もっと気持ちよくなれ。お前のあれももうぐっしょり濡れている」
 雪が熱に浮かされたように囁くが、蘭にはもうなにも分からなかった。いつの間にか雪の両手は蘭の細い腰を持ち、力任せに前後させる。胸の突起は激しく舐められ、腰は前後に揺さ振られる。
「ああっ……やっ……」
 蘭は体が支えられなくて、雪の両肩を掴んだ。そうしなければ崩れ落ちそうになる。
「もっと強く掴め」
 ほとんど前傾になり、蘭は雪の体に全身を預けた。秘部が密接している太もも部分は蘭の蜜によって、滑りをよくしている。くちゅくちゅという音が風呂の中に響き渡り、蘭は無我夢中で腰を振っていた。
 下半身が雪の太ももを擦る度に、快感が全身を駆け巡る。
 ――おかしい、なんだろうこの感覚は。朦朧とする意識の中で突きあげてくる快感に興奮する。下半身がじんじんと熱を帯び、蘭はおかしくなりそうだった。
 出会いも最悪の雪に体を蹂躙され、喘いでいる自分。それでも、この気持ちよさには抗えない。溢れて止まらない濃厚な蜜が蘭の鼻孔を吐く。
「たまらない……な。お前の香り。頭がくらくらする」
 雪もその香りを嗅いで、熱を帯びた瞳で蘭を見つめた。その色香を帯びた表情に蘭も陶酔してしまう。
「こうした方がもっといいだろ?」
 雪は蘭の短パンを下着ごと横にずらして直接太ももに淫唇をあてた。
「ああっ、すげっ。お前のが太ももに吸いつく」
 雪は興奮した様子で蘭の腰を激しく前後に揺さぶらせた。
「あっ……あっ……駄目っ、なにこれ」
 蘭の大事な部分は露わになり、しっとりとして筋肉質の雪の肌に押しつけられたまま擦られる。さきほどの比ではない気持ちよさが蘭の体を支配していった。
「すげぇ、エロイよお前。最高にかわいい。いい女だ」
 雪と顔が合い、お互いは自然に唇を重ねた。雪の激しい舌の動きが蘭の口内を侵す。
 さらに早くなる腰の動き。
「も……だ……めっ。おかしく……なる」
 息も絶え絶え蘭は快感が募るのを感じた。
「いけよ、思いっきりいけっ!」
 雪の太ももが激しく前後に揺らされ、蘭は昂ぶった感覚を押しとどめられなかった。
「あっ……やっ……!!」
 全身に痺れが駆け巡り、意識が白く飛ぶ。
 雪の両肩を掴んだまま、しなやかに背を反らせて、蘭は体を何度もびくびくっと震わせた。その後はぐったりと倒れるように雪の体に崩れていく。
 初めての経験に力は抜け、心地よい浮遊感を覚えた。
「かわいいな。お前は俺の物だ。これからはずっと傍で世話をしろよ」
 うつろな意識の中で雪が優しく髪を撫でてくれた。
 それが心地よくて蘭はそのまま目を閉じて眠りの底へ落ちて行った。
 
 






 





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