河畔に咲く鮮花  





 そんなある日、雪からテレビ電話がかかってくる。
 ローボードの上に、カメラ程度の小さい機械が設置され、蘭は椅子にかけながら雪との会話に花を咲かせた。
 雪は蘭の気も知らずに、自分の滾った肉棒を見せつけ、自ら扱き始める。
「蘭……早く……お前を……抱きたい……」
 色っぽい顔で雪は扱きながら、それを見せつける。蘭の下肢はジンと熱くなり、もぞもぞと腰が動き始めた。
 それを見たのか、公人は蘭の前に跪くと、いつものように秘部を舐め始める。
 蘭は目を瞠るが、椅子の下は雪からは見えない。
 テレビ電話の前では、雪が自慰行為に耽り、なまめかしく腰を揺らす。
 蘭はそれを見ながら、興奮を覚えると、いつもより蜜が溢れだすのが分かった。
 熱くなった秘部を公人が舐め上げ、蘭の体もぴくぴくと震える。
「はぁっ……ん……雪っ……」
 雪に攻められている気分になり、蘭は足の間に顔を埋めている公人の柔らかい髪を撫でた。
 公人の顔が上下に振られる度に、髪が内腿を撫で上げ蘭はわななく。
 いつもより大胆に蘭は公人の頭を掴んで、腰をなまめかしくくねらせた。  
「ああっ……蘭っ……!」
 だが雪の行為はあっという間に達して終わる。それと同時に公人の舐める舌も止まった。
 蘭はまた絶頂に達する前に火照った体を放置される。
――また……こんな中途半端に……
 欲望が渦巻いていたが、平然を装い雪とまた他愛もない話を続ける。
 生殺し状態にされ、蘭の体の疼きは限界に達していた。
 公人が寝た後に、蘭は今日こそ自分を慰めようと布団に入る。
 だけどそういう時に公人は体の疲れを取りましょうとマッサージをしてくるのだ。  
 アロマオイルを体に塗り込まれ、蘭はいつもより過敏な反応をする。
 情けないが、胸の蕾は固く尖って、感じていた。
「……はあっ……」
 いつもより荒い息を吐き出し、体は熱く火照る。蘭はふと公人を潤んだ瞳で見つめる。
 無機質な瞳で、業務的にこなす人形のような男。
 ――道具。慰めるだけの道具。
 これは人形であり、感情のない道具。それを使おうが、罪の意識はない。
 蘭の中にそういう感情がせり出してきて、公人にいつもの命令をする。
「……公人君……舐めて……が……まん……出来ない……」
 喘ぐようにいうと、公人は体をマッサージする手を止めて、すぐに蘭の足の間に顔を埋める。
「はぁっ……」
 蘭は快感に酔い、公人という無感情な人形を使う。
 ――そう、こうやって使っていけばいい。
 蘭は静かに舐める公人を道具として扱う。
 だが蘭は大きな間違いを犯していた。それには気がつかずに公人を人形として使用する。
 公人はまた蘭が絶頂に達する前に舌の動きを止める。蘭は公人を人形として使用すると決めた為に、その先の処理もさせようと口を開く。
「もっと……舐めて……気持ちよくして……」  
「お望みのままに」
 公人はすぐに言いつけを聞き、蘭の秘部を舐める。
 ――かわいい人形。蘭の望みのままそれをしてくれる。美しくて綺麗な愛玩具。
 公人の舌の動きがもどかしくて、蘭は腰をくねらす。
「……公人君……もっと……早く……動かせて……」
 ゆっくり秘裂の間をなぞる公人の舌。それがぴたりと止まり、少しの間が開く。
「……公人君?」
 不思議に思い、蘭は問いかけた。公人がまたすぐに顔を埋めるのを見て蘭はほっと胸を撫でおろした。
一瞬の変な空気はなんだったのだろうと思ったが、気のせいに違いない。
 そう体の力を抜いた時、公人が初めて音を立てたのだ。
――じゅるるるる 
 その大きな音は淫猥に室内に響く。
 公人の舌の動きは激しく蠢き、蘭の蜜壺を執拗に吸い始めた。今までの単調でゆっくりした動きと全く違う。
 しかもわざとくちゅくちゅと大きな音を出して、舌全体で蜜壺を攻めるのだ。
 蘭は一瞬なにが起きたか分からず、理性が舞い戻った。
 今まで静かに業務的に、単調にこなしていた公人。
 それが、これほど卑猥な舐め方をして、激しく頭を上下に振っているのを見て、動揺した。
「……き、公人君?」
 困惑し、蘭は目を丸くさせながら公人に呼び掛ける。
 だが、公人は蘭の臀部に自分の両手を滑り込ませて、腰を自分の方に引き、舌を蜜壺に差し込んだ。
――ずぷっ
 尖って熱く濡れた舌が侵入し、蘭の臀部を上下に動かして、公人に激しく体を揺さ振られる。その度に公人はくちゅくちゅとはしたない音をわざと出して、蘭の蜜壺に舌を何度も執拗に抜き差しさせた。
――なに? なにが起こっているの? 
 蘭は茫然自失としながら、その展開についていけない。考える暇もなく、今度は包皮をグイッと荒々しく剥かれ、膨らんだ淫芽に吸いつかれる。
 やはり公人は淫芽に吸いつきながらも、音をわざと立てた。
――この人は、誰?
 秘部を荒々しく攻められながら、蘭は恐怖に慄いた。
 ここにいるのは、公人ではない。
 いつもの、人形のような無感情な公人はここにはいない。
「蘭様……いかがですか……? 蘭様の芽は……少し大きくて、吸いやすいんですよ。赤く充血して、こりこりして、おいしい……んふっ……ちゅっ……それに、こちらも蜜がほらっ、こんなに垂れて、くちゅくちゅ言っていやらしい人ですね……」
「き、公人君……?」
 蘭が恐る恐る下肢に視線を巡らせ、公人の名を呼んだ。公人が顔を上げた瞬間、蘭は驚きを瞳に刻む。
――えっ?
 公人の人形のような顔には生気が宿り、その瞳には情欲が浮かべられている。
 まだ理解が出来ずに蘭は困惑するままだ。
「……蘭様、もっとして欲しいのでしょう? さぁ、命令して下さい。お望みのままに致します。僕は犬であり、人形です。さぁ」
 声にも興奮の色が含まれ、公人は濡れた口角をなまめかしく舌で舐めとる。  
 唖然としている蘭の顔を見て、ふと公人は妖艶に笑った。
 可憐で華やかな笑顔ではなく、毒を含む夜の華。
 公人はするりと浴衣を脱ぎ、蘭の前で全裸になった。
 蘭ははっと息を呑み、その美神の如く美しい男を見る。
 剣術で鍛えている体は引き締まり、まだ若く滑らかな肌の全ては彫刻のような造形美。
 公人は一つで結わえている髪を解いて、はらりと肩に落とした。
 それがまた耽美で、妖艶な色香を醸し出し、蘭の心をとらえる。
 そして一番驚くのは、公人の下肢が、大きく張り出し反り返っていることであった。
 蘭の呼吸は乱れて、頭の中が整理出来ないほどになる。
――どうして、そこが反り返っているの? 
 それほど公人の肉茎は立派で、若さゆえに雄々しく反り返っていた。
 鈴口からは粘りを帯びた蜜が、飲んで欲しいように太く張りのある傘の上を滴り落ちている。    
 興奮しているのか、血管がびきびきと浮き上がり、赤く充血して、重たそうな頭は生き物のようにびくびくと揺れていた。
「蘭様、イカせて欲しいのでしょう? 僕をお使い下さい。僕はあなたの人形なのですから」
 公人は甘く囁き、蘭の思考を狂わせる。
――人形? これを使ってもいいの?






 





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