河畔に咲く鮮花  

第四十四輪の花 長虎の決意3


 
「可愛い……蘭……」
 長虎が立ち上がるとざーっと浴槽から湯が溢れ出た。
 滑らかで綺麗な肉体を惜しげもなく見せつけ、美しい眼差しで見下ろしてくる。
「蘭……そんなにじっと見てどうしたの? ふふ……」
そんなことを気にすることなく長虎は蘭に覆い被さってくる。
「もう少し……上にあがった方がいいね」
 長虎がぐっと蘭の背中に手を回し、腰まで浴槽の縁に身体をあげる。
 タイルの上に仰向けになった蘭を見下ろし、長虎は興奮を帯びた吐息を漏らす。
「白い肌がバラ色に染まって……綺麗だよ」
 長虎が何とも言えぬ視線を向けてきて、キスをしながらうっとりと瞳を細めていった。
「もっと……キスしたいけど……もう僕は我慢が出来ないんだ……蘭……」
 長虎はすぐに顔を落とし、白い乳房を揉みしだく。
「ンっ……」
 敏感に体が反応してしまい、ぴくんと肩が跳ね上がった。
「ここ……もう硬くなっている……バラと同じ色だね」
 乳房を柔らかく揉まれながら、舌が赤く艶を帯びている尖った先端をそっと転がしてくる。
「はぁっ……」
 それだけで耐え難い疼きが迫りあげ、蘭の腰は自然とくねりはじめた。
「ふふっ……もっとしてあげるよ……淫れた蘭を……もっと見たいからね……」
 長虎が頬を赤く染めながら、舌で何度も胸の頂きを扱きあげる。
「ンっ……あっ……」
 ぬめりを帯びた舌で転がされるたびに、頭がぼんやりと霞んでいった。
「蘭……ここにも塗りこんであげよう」
 長虎が浴槽の湯を手ですくい、陰唇に塗りこんでくる。
「……ぁっ……ンっ……」
 ぬめりを帯びた湯が蜜壷に入り込み、生温かい感触が下肢に広がった。
 数秒で、秘部はくすぐったさとむず痒さに襲われじんと熱い疼きがはい登ってくる。
「ああっ……長虎様っ……熱いっ……」
 時間が経つたびにじんじんと熱さは増し、中が何度も収斂を繰り返した。
「直に塗りこまれると凄そうだね……はぁ……そんなに腰をくねらせて……悪い子だ……」
 そう言いながら長虎はまた湯をすくい、ぐっと液体を塗りつける。
「どうかな? 気持ちいい?」
 繊細な指がすぐに埋め込まれ、膣壁の中を丹念に、じっくりとなぞりあげた。
「ほら……たっぷりと塗ってあげるから……」
 ぬちぬちと音を立てて、長虎の指が柔襞の中を掻き回す。
「ンっ……そんなに……塗りこまないでください……っ……はぁ……っ……」
 媚薬をから逃れようと想うが体が上手く動かずにいた。中の熱さが増してそれをどうにか収めて欲しかった。
「中が凄く熱いよ。ぐっしょりして、こうやって掻き回されるとたまらないかい?」
 長虎が押し回すように指をねじ込み、奥まで媚薬を塗りつけてくる。
「はっ……」
 息をするのも苦しくなり、蘭のつま先はびりびりと痺れはじめた。
 何度か入口と膣奥を往復していた長虎の指がずるりと引き抜かれる。
 溢れ出た濃厚で粘ついた蜜が指と秘裂の間に引かれて、いやらしく艶を帯びていた。
「蘭、こんなに濡らして」
 長虎が蜜を口に含んで、ごくりと飲み込む。
「ごめん。もっと愛撫したいけど、もう僕も我慢出来ない。熱くて……たまんない」
 長虎がはぁと艶を帯びた吐息を漏らし、自身の肉棒にも媚薬入りの湯を塗りこんだ。
 ぬちゅぬちゅと音を立てて扱きあげる様が、淫靡に見えて蘭の下肢はじんと熱くなる。
「蘭……熱い」
 長虎が背中をのけぞらせて、何度も上下に扱くと肉棒は腹にくっつくほど怒張した。
「もう我慢が出来ない……っ……」
 長虎が反り返った切っ先を蘭の蜜口にあてがい、何度か擦りあげてくる。
 ぬるぬると秘裂の間をなぞられ、びくん、びくんと身体が跳ねあがった。
「蘭――」
 切なげに呼ぶ長虎の声が聞こえたと同時にぐっ――と切っ先が埋まる。
「あっ……」
 細い喘ぎ声が漏れるがそれすらも掻き消すように、長虎の肉棒が一気に突き立てられた。
「うっ……」
 奥まで挿入されてじんと鈍い痛みが走るが、媚薬が襞の一つ一つに絡みつき快感を得てしまう。
「うっ……くっ……」
 長虎の表情が苦しげにしかめられるが、声には快楽を滲ませていた。
「溶けそうだ。凄くいいよ。ゆっくり……動くから」
 長虎が勿体ぶるように律動しはじめ、濡れそぼった中をじっくりと堪能する。
 入り口までじっくり抜くと押し回すように、一気に奥に突き立てられた。
「はっ……あっ……長虎様っ……」
「不思議だ。凄く暖かくて……幸せを感じる」
 熱情を孕んだ長虎の瞳が降ってきて、蘭の唇はしっかりと塞がれる。
「もっと舌を絡めていいかい」
 激しいキスを繰りされながらも、しっかりと腰を揺さぶられて長虎から快感を得た。
「長虎様っ……熱いっ……中がっ……中が……」
「う……ん……僕も熱くて……蕩けそうだよ……もっと擦ってあげるから……蘭……」 
 離した唇から粘ついた糸が引かれ、長虎の美しい瞳が細められる。
「蘭……もっと……して……腰を動かして……くっ……いやらしく僕を貪って……」
 長虎が何を言っているかが分からなかったが、蘭の腰はいつの間にか揺れていた。
 恥ずかしいほど大きく揺さぶり、自分から貪欲に長虎を貪っている。
「さぁ、もっとやって……蘭の好きなように……」
長虎がぐいっと蘭の腰を持ち上げ、今度は自分がタイルに寝そべった。
「長虎様っ……」
 蘭が長虎の上に乗る態勢になり、躊躇ってしまう。
 だが秘部の奥から何とも言い難い熱さがせり上がり、勝手に腰が動いた。
「……騎乗位ははじめて? 好きなように動いて……さぁ……好きなようしてごらん……」
「ああ……長虎様……熱いんですっ……」
 ぐっ――と腰を落として前後に揺さぶりはじめると、長虎が陶酔したような表情を浮かべる。それがとても艶めいていて、ぞくぞくと欲情が掻き立てられた。
――長虎様を……支配している……
 そんな気になってしまい、激しく腰は動き始めた。
「あ……蘭っ……いいよ……凄く……溶けそうで……気持ちいい……くっ……はっ……どう? 僕を好きになってきた?」
 腰を振るたびに接合部分がくちゃくちゃと卑猥な音を立てて、長虎の瞳が潤んでくる。
「僕も駄目だ……動くよ……くっ……ああっ……」
 長虎に腰をもたれたと思ったら、下から一気にずんっ――と奥深く突き上げられる。
「ああっ……ンっ……」
 その激しさに身体がすくみそうになるが、口からは淫らな息が漏れ始めていた。
「いいよっ……蘭っ……君と繋がっていると思うと……たまんない……やばいな……すぐに達しそうだよ」
 何度も――何度も下から容赦なく突き上げられて、蘭はがくがくと腿を震わせる。
「はぁ……長虎様……溶けそう……」
 媚薬が膣肉を擦り、快楽と熱さで身も心も蕩けそうだった。
「僕も……溶けそうっ……ねぇ……一緒に溶けようか……蘭……っ……ぅっ……全部……身も心も……」
 短調な律動が変わり、今度は腰をもたれたままぐるりと押し回された。
「うっ……いいよ……蘭っ……」
 長虎の艶かしい喘ぎが聞こえると、蘭はぶるりと体を震わせる。
「長虎様っ……もう……」
 ぶんぶんと頭を振り、限界だと訴えると長虎は綺麗な微笑を浮かべた。
「うん……僕で感じて……イッテ……蘭っ……そうだよ……もっと貪って」
 長虎の打ち付けてくる感覚が短くなり、内部が歓喜にわななくといきり勃った肉棒をぎゅっと締めつける。  
「そんなに締めつけて、蘭は悪い子だ……っ……もう……イクよ……一緒に溶けよう」
 下から突き上げてくる長虎の肉棒がぐっと最奥に到達したとき――全身に甘い痺れが走っていく。
「あっ……長虎様っ……」
 快感に満たされぎゅっと中が収縮し、長虎の肉棒を痛いほど絞り上げた。
「蘭っ……僕も……駄目っ……イ……くっ……イクから……はっ……あっ……」
 長虎の腰がぐいっと突き上げられて、膣奥に熱い滴りがびゅくりと勢いよく放たれた。
最後まで放出すると長虎はゆっくりと腰を下ろして、乱れた息を整える。
「蘭……っ……」
 バラ色に染まる長虎の頬が何とも言えず、耽美で――
 蘭はばたりと長虎の引き締まった体に倒れ込んでいった。




222

ぽちっと押して応援して下されば、励みになりますm(__)m
↓ ↓ ↓



/  back

inserted by FC2 system