河畔に咲く鮮花
第三章 罪深き月夜に濡れる 後編*
蘭の胸の上でアユリはぽつりと漏らす。
蘭がなにも言わないと、梳いても手から滑り落ちる、さらりとした髪が不安げに揺れた。
「……嫌いになんかならないよ……全てを受け止めるって言ったのは私だし……なによりもアユリの心に触れたかったから」
そう言うとぴくりとアユリの柔らかい頬が動いた。
それが胸の上を掠めてくすぐったい。
アユリは静かに上体を起こして、一瞬で全てを魅了するほどの艶然とした笑みを浮かべた。
「ありがとう……蘭姉ちゃん……やっぱり俺の人魚様だ……」
うっとりするほど綺麗な顔は輝きを増して蘭を見下ろす。
「人魚様……?」
アユリの嬉々とした顔を見上げて、蘭は少しだけ首を傾げた。
「うん。初めて川で蘭姉ちゃんを見た時に、俺を救ってくれる人魚様が来たんだって思ったんだ。ようやく見つけた、そう思うと毎日が嬉しくて楽しくて」
くすくす笑うアユリを見て、蘭は不機嫌に眉をしかめる。
「……その割にはひどい扱いだったような気がするけど」
アユリにブスだのがさつなどと暴言を吐かれ、いつもいたずらをされていた。
好きだという素振りは全くもってないに等しい。
「好きな子にはいたずらしたり、からかったりするもんだろ。俺も素直じゃないから、つい色んなことをしちゃった」
いたずらっ子のようにぺろりと舌を出しては、いつもの調子で笑う。
「もう、やっぱりそういうところは子供だよね」
蘭のつい滑り出した言葉にアユリは眉根を寄せた。
「蘭姉ちゃん、俺を子供扱いしないでもらえる? 好きな女にそんな風に言われると無性にイラつく」
蘭は初めてアユリの心境を理解する。ガキだ、乳臭いなどと子供扱いした時にアユリはいつも怒っていた。
それは蘭よりも六歳年下であるアユリの精一杯の抵抗なのだろう。
蘭に合わせて背伸びをしたいという気持ちの表れもあるかも知れない。
悪いことを言ってしまったと蘭は後悔するが、アユリはすぐににやりと意地悪な笑みを浮かべた。
「……でも、そんなことを言っていられるのも今の内だよ。まだ終わっていないから。今からはもっとじっくりしてあげる。蘭姉ちゃんはガキだと思っている俺にたくさん喘がされるんだから」
一瞬なにを言われたか分からなかったが、蘭は瞬時に理解をする。
繋がったままのアユリの肉棒は、また大きく反り立ち、蜜口をみっちりと圧迫していた。
「ア、 アユリ……」
――う、嘘……もう復活したの?
驚いてアユリを見上げるが、瞳には猛々しい情欲の炎が刻まれている。
アユリの性的欲求は一度では終わらなさそうだ。
「一発出したから、二度目は持つよ。だから、今度はじっくりといやらしい動きで犯してあげるから」
アユリはそう言うと、蘭の弛緩した両足を肩に担いで、大きく持ち上げる。
――え、待って……
「アユリっ……こんな格好……恥ずかしい」
体を後ろにひっくり返す姿勢にされて、蘭の秘部は月の光に照らされてぬらりと艶やかに光る。
自分の秘所がさらけ出されて、そこに埋まったままのアユリの肉径。
「どう、蘭姉ちゃん。でんぐり返しみたいな格好させられて恥ずかしい? この体勢だったら、俺のが奥まで届くし、抜き差ししているところも良く見えるでしょ」
アユリは嬉しそうに言うと、蘭を恥ずかしい姿勢のまま犯し始めた。
蜜口の入口までアユリの肉棒によって襞が引き伸ばされる。
「見て、蘭姉ちゃんのいやらしい襞を。俺のに絡みついて放してくれないんだよ。ひくひく蠢いてさ、おいしそうに咥え込んでいるよ。そんなに俺の反り返った勃起肉棒が好き?」
アユリはわざと蘭にその光景を見せつけ、卑猥な言葉を投げては自分自身も興奮を覚えているようだった。
「あ……あっ……やだっ……アユリ……っ」
蘭は初めて接合している、いやらしい様を見せつけられて欲情をかき立てられる。
下半身がジンと熱くなり、また粘ついた蜜が奥から溢れだしたきた。
「もしかして興奮してる? とんだ淫乱だね。ああっ、でもそういう蘭姉ちゃんも大好きだよ。もっと狂って、いやらしい顔を俺だけに見せてよ。ほらっ、見て。俺のが埋まっていく。ずぷずぷ入っていくよ……はあっ……気持ち……いい……んっ……」
アユリは腰を落として、ゆっくりと中を味わうように肉棒をずぷり――ずぷりと押しこんでくる。
膣肉は硬い肉径によって押し広げられて、快感に打ち震えていた。
もう少しで最奥に達するのに、アユリはその事前で押し込むのをぴたりと止めてしまう。
「ア、 アユリ……?」
不思議に思ってアユリと接合した部分に顔を向けた。
アユリは妖艶に笑うと腰の動きを止めたまま、蘭を見下ろす。
「蘭姉ちゃん、奥に欲しいなら、俺におねだりしてみなよ。それともガキだと思っている俺にお願いするの恥ずかしい?」
アユリに意地悪な言葉を投げかけられて、ひくりと膣奥が蠢いた。
――そ、そんな……おねだりなんて
恥ずかしくて言いたくないが、体は正直である。
最奥はアユリの肉棒に穿たれるのを今かと今かと欲していた。
「言わないなら……もう止めちゃおうかな」
アユリはじっと蘭を見下ろし、ゆっくりと肉径を引き抜き始める。
それを逃さないように、濡れた襞は絡みついて放さない。
「ああっ……そんなに絡みついて……いやらしい……はあっ……」
アユリは絡む襞に肉棒を締めつけられてぶるりと腰を震わせた。
蘭は引き抜かれていく肉棒を奥に欲しくなり、耐え切れなくなると、とうとうアユリにおねだりをしてしまう。
「お……お願い……アユリ……ちょうだい……」
アユリは蘭のおねだりを聞いて、引き抜く肉棒を途中で止める。
「蘭姉ちゃん、もっとちゃんと言わなきゃ。どこに欲しいの?」
アユリの甘い囁きに蘭は我も忘れて、高まる欲望を全てぶちまけた。
「奥に……いっぱい……ちょうだい……アユリのを……ちょうだい……たくさん犯して……狂っちゃうほど犯して……」
蘭の欲求を聞いて、アユリはごくりと喉を大きく鳴らす。
押し広げられた二枚の花びらはひくりとわななき、アユリの肉棒を貪欲に飲み込もうと蠢いた。
「……いいよ、蘭姉ちゃん。奥の気持ちいいところを狂い死ぬほど突きあげて、たくさん犯してあげるから」
アユリは興奮を帯びた声を潤ませて、ズンッ――と最奥まで一気に肉棒を押しこんで来る。
待ちわびていた膣奥は歓喜に震えて、快楽の蜜を溢れださせた。
「ここでしょ? 蘭姉ちゃん。さっき一番初めに見つけた気持ちいい場所。この奥の上のこりっとしたところだよ、ねっ」
アユリは容赦なく蘭の敏感な場所を突きあげ始める。
今度は長いストロークはなしで、腰を密着させたまま、何度も奥だけを巧みに打ち付けてきた。
「アユリ……凄い……ああっ……」
張り出して大きくなった切っ先にたっぷりと奥は弄ばれる。
深い場所で腰を短い感覚で打ち付けられ、じっくりと膣奥を穿つ肉棒は若さゆえか、先ほどよりぐっ――と反り返り、凄い角度で襞肉を擦り上げてくる。
腰を密着したまま揺さぶられる為、興奮して勃った淫芽も一緒に擦られて、凄まじい快楽が突き上げてきた。
「蘭姉ちゃん、気持ちいい? ねぇ、良く見てよ。ほらっ、俺のがずっぷり埋まってて、奥をいやらしい動きで犯しているよ。一緒に勃起した芽も擦られてたまんないでしょ」
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