河畔に咲く鮮花  





冷たい風が吹き込み、ぶるりと蘭の背中が寒くなる。
「昨日は雪様にどうやって、ここを責められたの?」
 その義鷹の甘く囁く声には興奮した様子が窺えた。義鷹の獣のような情欲を内に隠した瞳で見つめられていると思うとぞくぞくとした快感が襲ってくる。
「こ、ここは触られていないんです……」
 蘭は恥ずかしそうに身をよじり、義鷹の腕の中から逃れようとした。だが、義鷹は片腕で蘭のお腹を後ろから抱きとめ許してくれない。
「雪様もまだまだだね。こんな可愛い子のここをを放っておいて」
 義鷹はそう言うと、どこか嬉しそうにまだ触れられたことのない蘭の秘部に手を伸ばしてきた。繊細な指が、二枚の花びらを摘まんだり、撫でたりしてくる。
「んっ……」
 自分でも触れたことのない場所を他人に触れられ、身もだえした。しかも手の届かない貴族、それも花のように麗しい美青年にそこを弄ばれているのだ。背徳感と快楽がないまぜになり、蘭は甘い息を吐き出した。
「どう? 気持ちいい、蘭?」
 優しい声音とは裏腹に、指は激しさを増していく。花びらを掻き分けて、奥に侵入してくると、濡れそぼった蜜壺に指を埋める。
「んっ……!!」
「まだ、指先しか入ってないよ。もう少しこっちを弄ってから入れてあげるからね」
 義鷹は楽しそうにくすくす笑うと、指を上に持って行き、包皮を剥いて、珊瑚色の珠を外気に晒す。
「ああ、可愛くて綺麗な色だ。ほら、見えるかな。穢れがない珊瑚色だよ」
 わざと蘭に自分の秘部を見せつけ、義鷹はごくりと喉を鳴らした。そして、ゆっくりと露わになった淫芽を指の腹で捏ねまわす。
「あ、ああっ……!」
 あまりの刺激に蘭は背を反らせた。このような感覚は初めてで、あっという間に意識が飛びそうで怖くなる。
「そんな反応されたら、たまらないよ。もっと蘭の可愛い声を聞かせておくれ。ほらっ、ほらっ」
 義鷹は上機嫌に言い放つと、花芯を摘まんだり、引っ張ったり、上下に何度も何度も擦りあげた。
「こんなにぷっくりと大きくして。いやらしい子だ。ほら、もっと感じなさい」
 義鷹の指は激しさを増し、緩急をつけ始めて花芯を撫で上げ、弄り回す。
「あ、あ、あ、駄目……もう、駄目っ」
 大きく広げられた両足の腿がぴくぴくと震え、背中はじっとりと汗で濡れる。義鷹の芳しい濃い花の香りが強くなり、蘭は官能の世界に身を置いた。
「イク時はきちんと言うんだよ。ほらっ、蘭、言ってごらん。イクって」
 義鷹の指が執拗に淫芽を攻め立て、蘭は体がわなないた。
「イ……ク……ああっ、も、駄目っ……イッちゃっ……ああっ!!」
 つまさきまで電流が走り抜け、意識が白く飛んだ。がくがくと体を震わせ、蘭は前傾に倒れ込む。それを義鷹がお腹に回した腕で受け止めてくれた。義鷹がべろりと蘭の背中を舐め上げる。
「あ……んっ」
 まだ余韻が残っている蘭の体にさざ波のように痺れが走っていく。
 「蘭、これで終わったと思ってないだろうね」
 義鷹の声に楽しそうな響きが込められて蘭は大きく目を見開いた。
「まだ、処女かどうか調べてないだろう?」
 義鷹はぐいっと蘭の体を引き起こして、今度は羽織の上に寝かす。ぐったりとした蘭は覆い被さって来る義鷹に抵抗出来るはずもない。
「んっ……」
 義鷹は蘭の唇を塞いでざらついた舌で吸いついてきた。ぼんやりと目に映る義鷹の艶を帯びた表情が、なんとも言えないほどなまめかしい。
「蘭、舌を出して指をしゃぶったように私の舌を舐めなさい」
 そう言って義鷹は長い舌を出して、蘭の舌を待った。蘭は言われた通りにおずおずと舌を差し出して、一生懸命に義鷹の舌に絡める。舌と舌は宙で絡まり、義鷹は熱を帯びたような瞳を向けてくる。
「んふっ、おいしいよ。蘭の舌」
 義鷹の舌は激しく蠢き、蘭の舌を絡め取る。ふいに義鷹は舌を放すと、今度はぐいっと蘭の両足を持ちあげた。
「あっ、見ないで下さい」
 大きく両足を義鷹の前で広げられて、蘭は恥辱に震える。義鷹の美麗な顔が広げられた秘部に近づき、舌先で、淫唇を淫らに舐め上げられる。
「恥ずかしいです……義鷹様……下慮の私なんかのそこを舐めるなんて」
 そう言っても、義鷹は舐めるのを止めてくれない。
「んふっ……蘭のここ……とても綺麗だよ。花びらも桜色だし、このぷっくり膨らんだところも珊瑚みたいで可愛い。それに、中も綺麗なピンクでひくひく蠢いて、ああ、いやらしい子だ。そうやって、私を誘っているのかい」
 義鷹は蘭の秘部を一つ一つ説明して、わざと苛める。花のように綺麗な美貌の青年が蘭の足を開き、顔を近づけて見ているだけでも、体から火が出そうだ。
 それなのに、義鷹は唇全体で、蘭の淫唇を口に含んで、ちゅっちゅっとわざとらしく音を立てて吸いあげる。
「んんっ……あっ……義鷹……様……」
 初めの感触に蘭は身をよじった。だが、義鷹の両腕ががっちり腿を持ちあげ、動くことを許してくれない。
 義鷹は長い舌で花びらを割り、敏感になっている淫芽を舐めた。
「あ、あ、そこは……まだっ……」
 絶頂に達して敏感になっている芽を義鷹は舌先で器用にちろりと上下に舐めあげる。
 生き物のように動く舌は、ときには淫芽に吸いつき優しく引っ張った。
「あ……やっ……」
 また快感の波が襲ってくる。さっき達したばかりなのに、蘭は自分が淫らになってしまったのかと恥じる。
 こんなに感じては処女じゃないと疑われても仕方がない。
「ん……ふっ……おいしいよ。蘭の味。濃蜜でいやらしい」
 義鷹が恥ずかしいことを言って、蘭はどんどんおかしくなってくる。
「こっちも吸って欲しいっておねだりしているね」
 義鷹の舌は溢れ出る、蜜壺に移動した。そして、わざと音をたててぴちゃぴちゃとなめあげるのだ。
「あ、やっ……義鷹様……」
「どうしてだい? こんなに大きな音を出して。本当はもっとして欲しいのだろう?」
 粘っこく攻め立てられて、蘭は甘い息を吐いた。もしかして、自分は苛められるのが好きなのかも知れない、そんな気持ちにもなる。
義鷹の舌はしつこく責め、ついには蜜の奥へざらりとしたものが侵入してくる。
「んんっ……」
 気がついた時は、義鷹の長い舌が蜜口に差し込まれていた。舌を抜き差しさせながら、深く挿入したかと思うと、襞をぐるりと回転させながら舐め回す。その絶妙な舌戯に蘭の口からは甘い息が漏れ始める。それを執拗に何度もやられると、足ががくがくと震え、いつの間にかのけぞっていた。
「ん……ふっ……蘭、そんなに力を入れたら、私の舌がちぎれそうだよ」
 義鷹はぬらりと蘭の蜜で濡れた唇を自身の舌でなまめかしく舐めとった。そして、今度は長い指をゆっくりと蜜口に埋め込む。
「あっ……痛いっ……」
 じんと入り口に鈍い痛みが走り、体を震わせた。
「力を抜いて、初めはゆっくりしてあげるからね」
 抜く気は全くないらしく、義鷹の指は奥へ奥へと侵入してくる。ぎちぎちと指が内部の粘膜を擦りあげる。
「ああ、やっぱりきついね。一本でも食いちぎられそうだよ。蘭」
 義鷹は嬉しそうに言うと、蘭の中を堪能した。指を差しぬき、一気に奥までずぶりと押し込める。それを何度も執拗に繰り返し、蘭を責め立てた。
「柔らかくなってきたね。今度は違うことするよ。いいね、蘭」
 義鷹の言い方は問いかけているようで、実は違う。蘭が嫌と言っても、もう決定されていることなのだろう。
 義鷹は指で内部を掻きまわし始めた。さきほどの単調な動きとは違って、脳が痺れる。激しく掻き回され、くちゅくちゅと大きな水温が響き始めた。
「ああ、ああっ……」
 持ち上げられたままの腿がぴくぴくとひきつる。襞をぐるりと掻き回されたり、指をくの字に曲げられたり。挙句は指を一本増やされ、何度も抽送を繰り返される。その度に激しく増す水音に蘭は脳まで一緒に揺さぶられた。
「ああ、可愛い蘭。もっとその色っぽい顔を見せておくれ。もっと私の指で感じておくれ」
 義鷹の指が何度も抜き差しされ、粘膜を押し開いていく。
 そしてまたわざとぐちゅぐちゅと音を立てて抽送させた。
「だ、駄目……義鷹様……まっ……た……くる……」
 快感が這い上り、蘭の体を突きあげる。
「気持ちよくなった時はどうするんだい? おねだりしないと止めるよ」
 義鷹は蜜口に指をねじ込んだまま動きを止めてしまった。
「い……や……止めないで……おかしくなっちゃう……」
「じゃあ、どういうんだい、蘭?」
 義鷹の見惚れるほどの美しい顔には妖艶な笑みが浮かべられていた。
「あ、あ……いか……せて……義鷹様……」
 蘭がそう言うと義鷹はにっこりと艶やかに笑む。そして、ねじ込んだままの指を激しく抽送し始める。
「ああ、はげしっ……義鷹様……」
「もっと私の名前を呼びなさい、蘭。そしてイキなさい、ほらっほらっ、ほらっ」
 重ねられた指が激しさを増し、ぐちゅぐちゅと中の粘膜を掻き混ぜ、抽送される。
「も……イ…ク……義鷹様……も、駄目っ!! ああっ!!」
 快感の波が走り、意識が白く飛ぶ。電流が駆け抜け何度も体がびくびくとのけぞった。二回も絶頂を味わい、ぐったりと蘭はその場で目を閉じた。
「可愛い、蘭。本当はお前を誰にもやりたくなどない」
――そう、意識を失う狭間、義鷹の声がかすかに聞こえた気がした。






 





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